◯american dream/LCD soundsystem
先日LCDの新譜が出た。一旦解散しているが、その時に知って好きになったバンドだ。再結成の報は嬉しかったし、今年のフジロックに行ったきっかけも彼らが見たかったからだ。
4枚目のアルバム。
最初の彼らの曲にはパンク的な勢いやエネルギーを持った曲が多くて、じっくりと展開する曲にもフレーズを反復して徐々に高まる中で狂気が染み出してくるような印象があった。
でも今回は分かりやすい熱量は少しなりを潜めて、展開の繰り返しを丁寧にやることでじっくり世界観を描く曲が増えたと思う。それが最も顕著に現れているのがギターで、かき鳴らしたりカッティングしたりすることがほぼ無くなった。ギターの音がとても好きだったので、少し残念。
2曲目のother voicesの楽器の積み上げ方や展開が渋くて、かつミドルテンポの踊れる感じが好きなんだけど、どうもこの曲は特にトーキングヘッズに似てる気がする。笑
曲の骨子だけを捉えて聴くと退屈に感じることがあるけど、音をもっとじっくり聴くと世界観ができてくる。3枚目よりも落ち着いてどっしり構えたような感じがして、こっちの方が好き。派手ではないけど改めて格好いいと思った。
1・2枚目のアルバムにもかっこいい曲あったなあと思い出した。もう一回聴いたらまた違って聴こえるかな。
10曲/2017
☆
oh baby
other voices
how do you sleep?
tonite
◯This Is Happening Deluxe Edition/LCD soundsystem
LCDの新譜が少し前に出たので、そちらより先に、聴いていなかった3枚目のアルバムを聴く。
10曲入った通常盤の他に、ボーナストラック1曲+セッション9曲のある特別盤があったのでそっちを聴いた。
少し穏やかになったというか勢いのある箇所が少なくなった代わりに、落ち着いたままの展開の変化で聴かせる曲が今まで以上に増えたように思う。
じっくり聴いてると楽しいけど、他に取り立てて書けることもないかも…
最後のセッションは今までのアルバムの中から選曲されていた。こっちの方が緊張感が得られていいかもしれない。
20曲/2010
☆
Dance yrself clean
I Can Change
Home
◯Everything/Lido
ソニックマニアに来るらしくインタビューが載っていて、それがなんか面白かったので実際に観に行く前にアルバムも聴いた。
ノルウェーの音楽プロデューサー兼シンガーソングライターらしい。
何枚目のアルバムかはよく分からなかった。
大まかな枠は感じさせつつも予想を裏切る展開が多くて、へえ〜と思いながら聴いていた。今風の音を使って心象風景をできるだけ反映した曲を作ろうとしていたように感じる。
それとオフビートが多いし、シンコペーションもけっこう使うけどそのちょっと前あたりの拍に何もないことが多いせいで、気を抜いていると今何拍目なのかすぐ分からなくなる。
ソニマニでもキーボード?の横にキック以外の電子ドラムを置いてだいたいの時間それを叩いていたので、何かしらのこだわりがあると思う。
ただめっちゃ良さを感じたかというとそういう訳でもなくて、ずっとふ〜ん…って感じだった。あんまり引っかかるものは無かったかな…
ソニマニでは午前3時くらいのステージだったこともあって人がかなり少なかったし、音楽もあまり巻き込むタイプのものじゃなかったので皆ほぼ立ち尽くして聴いていた。
俺はそれまで踊りまくってたこともあって事前にアルバム聴いた時よりは楽しかったけど、会場の感じも分かるしなんとも切ない気持ちになった。
Citi Bikeの、あれだけ派手にやったのに自転車の音で慎ましく終わるやり方が好き。
そのまま入る次のOnly Oneもヒップホップにしてはふわふわするビートが面白いと思う。
頭の方で触れたインタビューを今見返すと、東京を地球で一番好きな場所と言ってくれた彼の期待と、ソニマニで「最後の曲だよ、ありがとう」と言った時の明らかに消沈した様子を思い出して物悲しくなる。
LIDO 直撃インタビュー 才能あふれる歌手、作曲家、プロデューサーが、日本への愛を真摯に語る
11曲/2016
☆
Catharsis
Citi Bike
Only One
◯March/KiWi
ふと見かけて気になったので聴いた。
クラブミュージックを使ってポップな曲をやる2人組ユニットで、アルバムとしては初めてらしい。本人たち曰く「音楽集」らしい。
キャッチーなので聴いてて楽しい。絵本みたいと感じる要素がいろんなところにあるけど、オリジナルのキャラクターと物語がベースになってるらしい。聴いてる時はあまりそこまでは意識しなかったけど、そういう姿勢も面白いと思う。
メンバーの両方が曲作りから歌唱から細かい作業までやっているらしい。男女それぞれ単体でボーカルを歌っている曲もあればインストもあって、幅広い。
「絵本の世界とクラブミュージック足すぞ!」っていうコンセプトにおいてかなり成功してるんじゃないかと感じた。
最初の方にハロウィンだぞーかわいいぞーっていう曲が続いて、楽しいけど若干食傷気味になってくる所で入ってくるPyriteのストレートなミドルテンポの歌物感が目立って良かった。
月夜の魔法市の、トラップやジュークとアラビアンな雰囲気を短調って点で繋げたのが面白かった。
DROLL KITCHENとっても面白い。こういうような、遊びを120%出してくる曲に弱い。
興味本位で聴いたけど、元となるコンセプトに始まって、異なるものをうまく組み合わせるアイディア、細かい所の工夫まで、隅々にけっこうちゃんとした強度を感じて良かった。軽いけど飽きないで聴ける。
ただどうしても仕方のないこととして、ジャンルとジャンルの掛け合わせっていうコンセプトは面白い反面薄くなりがちという印象も抱いた。
ひとつのジャンルの中で更に面白いことを追求するとそのジャンルらしさはだんだん失われていく側面があると思うので、
その状態のものを他の特徴と掛け合わせると、更にオリジナリティは増すけれども、純粋なジャンルとジャンルの掛け合わせ感は無くなるというか。
その点Pyriteとかのシンプルな歌ものはとても良かった。
13曲/2017
☆
Pyrite
月夜の魔法市
おばけのキウィの古時計
DROLL KITCHEN
ゆめのつづき
◯Neji/Tori /にせんねんもんだい
麓健一のファーストアルバムがにせんねんもんだい主宰のレーベルから出たという文を読んだとき、にせんねんもんだいが何なのか全く知らなかったので字面から地下アイドルか何かか?と勘違いしたまま放っておいた。
その後どうやら地下アイドルではないらしいことが分かり、聴いてみようと思った。
バンドだった。スリーピースで基本的にインスト、メンバーは女性のみ。
1999年結成で、このアルバムはファーストとセカンドをそのまま繋げた日本未発売のバージョンらしい。
ギターが相当歪んでいてドラムも乾いた音。ベースはそこまでゴリゴリせず程よく水っぽい音がして好きだった。
展開は勢いがあって格好いいし、全体的にノイズが好きな人はいいんだろうけど、俺はもっと聴きたいとは思わなかったかな…
ファーストの「それで想像する ねじ」とセカンドの「とり」の変わり目で、霧の向こうから鳴るような曇った音から多少抜けた音になって良かった。
9曲/2007
☆
kyuukohan
ikkkyokume
◯Guilt Trips/Ryan Hemsworth
ツイッターでミュージシャンがこの人の音楽の話をしていて知った。その時触れられていた音楽がすごく面白かったんだけど、それが入っているアルバムが定額配信サービスには無かったから別のものを聴いた。
カナダのDJで、3枚中2枚目のアルバム。
2013年のアルバムらしいけど、最近流行りの静かなR&Bに通ずる落ち着き目の雰囲気がある。けど特に音数が少ない訳でもなく、俺にはなかなか馴染みのないジャンルだった。
あんまりツボって感じじゃないかな?
インストもあるし歌もある。どのみち英語の歌詞がわからないから、タイトルを僅かな手がかりにしてどんな曲なのか想像しながら聴くのが楽しい。
Against A Wallの3:09〜のベース?かなんかのよくわからん音が気持ちいい。
ここまで捉えどころがない音楽を久々に聴いた。感想の書き方に困るけど、時間がないのでこのまま終わる。
んー他のアルバムも少し気になる。
10曲/2013
☆
Against a wall (feat.Lofty305)
Ryan Must Be Destroyed