◯FANTASMA/Cornelius
コーネリアスは最新作のSensuosしか聴いたことがない。良かったけど少し退屈だったので、他のアルバムに興味が出て聴いてみようと思った。
全部で5作あってこれは3作目らしい。
結論から言うとかなりよかった。最新作はリズムのノリがどこか一本調子だったんだけど今作はドラムのサンプリング(多分。それとも録音なのかな…)を多用していたのと、今作の方が明るくて光景の想像もしやすかった。
アルバム全体から感じ取れる遊び心がいちばん好きなポイントかもしれない。曲が途切れずに続いていくことにも引き込まれた。
Clashはバースの打ち込み部分も好きだしサビのゆったりだけど質感のある感じも好き。
Count Five Or Sixにはバンドのベースの他にも太くてすぐ減衰するベース音が入っていて、確か1曲目にもこういう音があった気がする。
Star Fruits〜や2010でブレイクビーツがたびたび出てくる。意外だった。
最後の曲はレーベルのよくわからん宣伝?(本当に宣伝目的なら意味を成していないように思える)が長々と続くだけだし、その前のアルバムタイトル曲はきれいなコーラスだと思ったら1分で終わって、残りの7分うんともすんとも言わない。
文章にまとめるにあたって改めて聴いてみたけど、曲それぞれに最初ほどの衝撃は感じなかった。なにがよかったんだろう。情景を想像させる力は大きくて、それはコーネリアスの特色だと思うけど、このアルバムに限っていえば、音をよく聴いてみたらそれ自体に面白さはそこまでないのかもしれない。
それとやっぱり遊び心がいいと思う。さまざまな異質なものをひとつの曲の中に取り入れたり、実質的に最後にあたる曲には今までの曲の断片をちりばめたり。
音質的にもそれぞれの音の解像度は高くないけど、やっている内容は20年前に作られたものとは思えなかった。
再現ライブが何年か前にアメリカであったらしい。みたかった。今年のフジロックでも少しはやるのかな。他のアーティストと被らなければいいんだけど。
14曲/1997
☆
Mic Check
Clash
Count Five Or Six
Star Fruit Surf Rider
Free Fall
2010
Thank You For The Music