haien sorch

音楽にまつわる個人的備忘録

◯マンパワー/□□□

マンパワー

ふとクチロロが聴きたくなった。前に聴いたアルバムにスカイツリーという好きな曲があるんだけど、こっちのアルバムには合唱曲スカイツリーというのがあったので聴いてみた。結果的につながりを少し匂わせる程度で(398mという数字がそれぞれ現在と一昨年頃の高さとして出てくる)、内容はだいぶ別物だったけど。

2〜3分前後の曲がパラパラとあったり途中に14分の曲が2つあったりする極端なアルバムだった。
マンパワーという名前の通り、ある曲では合唱、ある曲では言葉や声をたくさん使っている。ラップとボイパだけの曲もある。
作成年は2012年で、震災を受けて作られたようだった。

2曲目の合唱曲スカイツリー原発事故の影響をイメージさせて、漏れ出る放射線と道路の放射線にそれぞれ同じ伸びる・広がるという言葉を使ったり、いつからこんなに大きくなってたんだろうという言葉を主語を省いて使うことで暮らしの発展の表裏を同時に表していて面白かった。曲中にスカイツリーの名前自体が一度も出て来ないのも奥ゆかしくていいと思う。
タイトルの通り男女(成人?)が合唱してるんだけど、合唱部分は本式のやつではなく普通の人の歌い方でいくつかのシンプルなモチーフを簡単な混声で繰り返すのみだった。堂々と歌っていてセリフもはきはき喋るので演劇の人なんだろうか。

7曲目のいつかどこかでは別のアルバムの00:00:00をセルフアレンジしたものに更に別のアルバムのスカイツリーという曲の音を混ぜた曲だった。もしかしたら俺の知らない他の曲も混じっているのかもしれない。
00:00:00の日常の一瞬の些細な思いを大切に集めるテーマを、色々な人々のラップを使い具体的なエピソードに焦点を当てて、更に深く大きくしたような曲だった。

このアーティストに限った話ではないけど、震災後に作られたというバイアスが自分の中でかかると期待値も得られる感慨も大きくなる。上のふたつは今までクチロロを聴いてきた中でもかなり良かった。
3曲目のYou&Iがどことなく西友で流れてそうなオシャレさだけど歌詞を調べたらまた違った聴こえ方がした。
最後の曲の歌詞も意味深で気になる。

8曲

合唱曲 スカイツリー
You&I
いつかどこかで(Album Version)